熊本の歴史は、豊かな自然を、すぐれた技によって独自の文化として築いてきた英知の歴史です。国内でも希な恵まれた「自然」を程良い量で耕し、程良い「暮らし」を市民に提供してきた「調和」の歴史であると言えます。
豊かに暮らしたいという願望は万国共通であっても、住む風土によって生まれる、生きる道具としての「文化」は異なります。熊本の文化は頑なまでに、恵まれた自然に忠実に独自の文化を造り上げてきました。
しかし、近代の経済高度成長と、科学技術の発達は、その土地の風土に関係なく大都市を目指し、大都市そっくりに地方都市を造り変え、日本中どこへいっても同じ様な都市になり、地方はだんだんと「らしさ」を失い始めています。このような中にあって、熊本も例外ではありません。
そこで「くまもと21の会」は、熊本の「熊本らしい発展」を求めて、「自然と文化の調和」を創造してきた英知として、「自らの感性を磨き」かつ、「地域社会に貢献する心豊かな志しある者の集い」を目指して1993年7月に設立されました。
われわれの祖先は森から出て人となった。以来今日まで自らの文明を築き続けてきた。
その文明のために森林は乱開発され地球の循環サイクルを断ち切られようとしている。
その機能を失った森は、そこに棲む生物を枯渇させ、さらに土壌や大気を汚染し、海洋の浄化能力までも奪おうとしている。
くまもと21の会では、自然との「共生」を求め“まだ、間に合うかもしれない”を合い言葉に、ここに『みどりの森』構想実現のためにそのオピニオン団体としての宣言をします。
1999年11月29日
くまもと21の会 会長 浜島 巌(宣言当時)